コーヒーは本当に胃に悪いのか?
コーヒーは胃に悪い
よく言われる言葉ですよね
確かにコーヒーを飲み過ぎると胃がむかむかしたり、痛くなったり、気持ち悪くなったりしたことがある気がします。
ではどうしてコーヒーが胃によくないのかを調べてみようと思いました。
まず、胃の中は攻撃因子と呼ばれる胃酸と防御因子と呼ばれる粘液のバランスによって成立しています。
胃の壁にいる壁細胞が塩酸を胃の中に分泌します。
なんと、人の吐しゃ物はコンクリートを溶かす程の強酸性なんです。
この塩酸によって食べたものをぐじゃぐじゃの状態にする事が出来きます。
しかしこの塩酸だけでは胃自身を溶かしてしまいます。
そのため胃の壁には副細胞が分泌するムチンと呼ばれる粘液があって
胃の壁自体が損傷するのを防いでいるんですね。
コーヒーを飲むと、この塩酸を分泌する壁細胞が活発になって副細胞が分泌するムチンが追い付かない状態になります。
すると、胃がむかむかしてしまったり、痛みが出てきたりするんですね。
胃がむかむかしてコーヒー以外に気を付けておきたい病気が最近名前を聞くようになった「逆流性食道炎」別名でGARDです。
この病気は、胃と食道の間が緩くなってしまって胃酸が逆流し
食道の方まで登ってきてしまう病気です。
食道はちょうど胸のあたりを走行しているので、胃酸でやられるようになると
胸がむかむかするようになります。
この病気は加齢やストレスによって、食道と胃の間にある噴門括約筋と呼ばれる筋肉が弛緩してしまう事によっておきます。
コーヒーも飲んでないのに胃がむかむか、胸が嫌な感じがするという時は
この逆流性食道炎を疑ってみてもよいかもしれません。
また胃の所で覚えておきたいのは、胃癌になる可能性があるピロリ菌です。
ピロリ菌は胃の酸性を中和する酵素を分泌出来るので、胃に入って胃酸に触れても死ぬことはありません。
そしてそのまま粘膜の奥の方までくれば副細胞が分泌する粘液があるのでそこで悠遊自適に住み着きます。
そして胃の粘膜に炎症を起こします。
これが続くと慢性胃炎とよばれ、通常綺麗なピンク色をした胃の壁が赤色になって
しわも無くなってきます。
すると胃としての機能が低下していきます。
慢性胃炎はそのまま放置すると萎縮性胃炎となって胃が委縮してきます。
こうなってくると胃酸も出なくなってきてしまい、常に胃の不快感に襲われるようになります。
そして更に、この状態をそのままにしていると胃がんにまで発展する可能性があるんですね。
胃癌は早期治療であれば5年生存率、つまり5年後生きている確率が90パーセント以上あると言われており、がんのなかでも比較的軽い方です。
しかしポイントとしては早期発見が重要であり、気づかず大きくなってガンが転移してしまっていては予後も良くありません。
まずは、この胃がんの原因になるピロリ菌がいるかどうかをチェックしてもらうのがよいと思います。
一部ではこのピロリ菌にコーヒーが効果的という研究結果があるという噂が出ていましたが
探しても元ネタは無かったので、これは今のところ確証が得られない噂の状態です。
コーヒーは適量であれば飲んでもいいですが、やはり一日4杯以上など大量に飲み過ぎると
また、短い時間に一気に沢山飲んだりすると、胃酸の分泌を亢進させてしまうので気を付けて楽しみましょう。